18.保守・点検について
電力の測定について
電力は、インバータにおける入力側と出力側の両方で計測をします。共に、デジタルパワーメーター(インバータに対応しているもの)を使用しましょう。または、電流力計形計器(精度は0.5級のものが代表的)を使って、二電力計法か三電力計法にて電力を測定しますが、三電力計法で測定したほうがよいようです。三電力計法の方が結果も比較的安定しますので、入力側の電流が不均衡になりやすいことを考えると、入力側は特に三電力計法がおすすめです。出力側は二電力計法で計算をしていきます。
なお、三相電力計も演算式の違い、測定器の違いによって誤差が生じることがあります。計測方法や機器を変えた場合に、結果が異なる場合があるので注意しましょう。また、電流測定側に変流器(CT)が使われている場合、あるいは電圧測定側にPTが内蔵されている場合、周波数特性によっても誤差が生じる場合があります。インバータの異常ではありませんので安心してください。まず、電源側の電力を計るときですが、電極のR-S、S-T、T-R間で計測をします。計測された電力を足し合わせた数値が電源側の電力となります。また、出力側はU-V、V-W間で計測(二電力計法のため、W-U間はありません)を行いましょう。その結果を足し合わせて、出力側の電力の測定を行います。
電圧の測定について
電圧の測定についても、インバータの入力側、出力側の両方で計測を行いましょう。ただし、電力の場合と違うのは、入力側と出力側で注意点があるという点です。
まず、入力側の電圧に関しては、正弦波で歪率が小さい特徴が幸いし、通常の交流計器でも精度よく測定が可能です。デジタルパワーメーター(インバータに対応しているもの)や可動鉄片形交流電圧計(精度は0.5級のものが代表的)を使用して値を計測しましょう。測定箇所は電極のR-S、S-T、T-R間です。
出力側の計測の際には注意が必要です。出力側は、PWM制御した矩形波の電圧となり、入力側とは異なります。指針式のテスターをしようすると、実際の値よりも大きな電圧を示してしまうため、整流形電圧計(精度は1.0級のものが代表的)を使用するようにしましょう。
また、入力の測定には使用できた可動鉄片形交流電圧計は、高調波の値を含めた実効値になってしまうため、計測ができません。測定箇所はU-V、V-W、W-U間となり、各相間の差は最高の出力電圧に対し、誤差1パーセント以下であることを確認しましょう。
なお、操作パネルにおけるモニターの値は正確な値が表示されるため、操作パネルにおけるモニター、あるいはアナログ出力をお勧めします。
電流の測定について
電流を測定する場合も、例外なく入力側と出力側で測定を行いましょう。どちらにも可動鉄片形計器を使用することが可能です。ただし、キャリア周波数が5kHzを超えてしまうタイプの場合、計器内部の金属部品の過電流損が大きくなってしまいます。そのため、計器の焼損が考えられますので、使わないようにしましょう。このようなトラブルが懸念される場合は、近似実効値形電力計を採用するようにしてください。
まず、入力側ですが、電流が不均衡になりやすい傾向が強いため、三相すべての測定がおすすめです。R、S、Tそれぞれの線電流を計測しましょう。また、出力側の電流についても、U、V、Wの線電流をそれぞれ計測してください。なお、測定値の基準として、インバータ定格電流以下の各相における不平衡率の差がプラスマイナス10%以下になっていることを確認しましょう。
なお、クランプ電流計を使用する場合には平均値検波方式のものを使用しないように注意しましょう。誤差が大きくなり、実際に計測される値よりも大幅に小さく計測されてしまいますので、実効値検波方式のタイプを使用し、正確に計測しましょう。また、電圧の測定同様、操作パネルにおけるモニターの値が正確な値を表示するので、操作パネルにおけるモニター、あるいはアナログ出力がお勧めです。
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