12.インバータの周辺機器について
力率改善リアクトルについて
電源トランスとインバータ間、およびインバータとモータ間の主回路系統上に設置される機器への影響、または選定に関する留意点があります。力率改善および電源協調用DCリアクトルとは、インバータの入力力率を改善する場合に適用するものです。また、入力高調波の低減効果もあり、電源協調用として必要な場合にも設置します。
力率を改善する方策として、通常は進相コンデンサーを接続し、遅れの無効電力を打ち消す方法が一般的です。しかし、同期発電機や同期電動機が有る場合は、励磁電流を増加させることにより無効電力を供給することもできます。
また、高調波を低減する最も安価で簡易な方法として、DCリアクトルを付けると、高調波を抑制する効果はありますが、高調波の発生をなくすことはできません。
高調波はインバータやインバータを使ったエアコン等から発生し電源の電圧波形を歪ませてしまいます。最悪の場合、同一電源に接続されている「力率改善用コンデンサー」や「トランス」を焼損させる他、蛍光灯のちらつき等の障害の原因となってしまうのです。
ノーヒューズブレーカーについて
ノーヒューズブレーカー(NFB:No Fuse Breaker)とは交流600V以下、直流750V以下の低圧屋内電路の保護に用いられるモールドケースの遮断器の事を言います。NFBは米国で普及発達したもので、アメリカの規格「UL489」では「モールデッドケースサーキットブレーカ」(MCCB:Molded Case Circuit Breaker)となっており、国際的にも通用する名称です。
日本国内では、MCCBに相当するのは電灯分電盤用配線用遮断器や住宅用分電盤用配線用遮断器(安全ブレーカー)などであり、一般的なブレーカーはMCCBと呼んでいます。ブレーカーを流れる電流が規定値以上になると、保護のために回路を遮断するもので、基本的にヒューズと同じ役割です。
漏電遮断器は、遮断器を流れる電流の定格以外に、設置した筐体に対して回路から漏電があると回路を遮断する目的で使用されます。感電の防止や、本来絶縁されている回路間に電流が流れて誤動作や破損するのを防ぐために用いるものです。
過負荷や短絡などの要因で、二次側の回路(負荷、電路)に異常な過電流が流れたときに電路を開放して、一次側からの電源供給を遮断します。遮断する事によって負荷回路や電線を損傷から保護するために用いる遮断器の一つです。
複数台のインバータを1台のNFBでON/OFFする使い方がありますが、この場合はインバータの総入力容量(kVA)を求めて、この総入力量に合ったNFBを選定します。
電磁接触器について
電磁接触器(MC:Electromagnetic Contactor)とは、電磁石によって、二次側への電源の供給を調整する機器です。通常時はバネの力で接触子が切断状態となっていますが、コイルに電源が投入されると、電磁石によりバネ力に勝る吸引力が発生します。これによって接触子が回路を接続し、二次側への電源供給が可能になるのです。そして、コイル電源の切断により、バネの力で回路が切断され、二次側への電源供給を切断します。
電磁接触器には以下のタイプがあります。
(1)非可逆式電磁接触器(モータの始動・停止に適した製品)
(2)可逆式電磁接触器(交流モータの正逆運転(搬送ライン等)に適した製品で、機械的インターロックを採用するタイプ)
(3)機械ラッチ式電磁接触器(分電盤やビルなどの重要設備の記憶回路に適した製品で、機械ラッチ機構で停電等の時も投入を保持するタイプ)
(4)遅延釈放形電磁接触器(瞬停電時にコンデンサーの放電で1〜4秒間投入を保持する製品で、復電後負荷の継続運転が可能なタイプ)
(5)主回路3極電磁接触器(主接点3極のみの省スペース型製品)
小容量インバータにおいて、突入電流抑制回路を有していないタイプの場合、抑制回路のあるインバータに比べて大きい電流仕様の選定となっています。そのため、インバータの選定を誤ると電磁接触器の接点が溶着する恐れがあるので注意が必要です。
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