20.インバータに関する用語について その2
ソフトスタート・ソフトストップについて
ソフトとは徐々に、とイメージをすると分かりやすいです。つまり、いきなり全開で稼働・ストップさせるのではなく、少しずつ力を加える・徐々に停止させることを言います。例えばベルトコンベアーに電気を勢いよく流してしまうと、急にベルトコンベアーが動き出し、載せている荷物が倒れてしまいます。これは、電源を落とす際に、急にストップさせてしまう場合も同様です。これでは、荷物の被害も出てしまいますし、モータにも急に大きな負担がかかり、機械にとっても良くありません。しかし、モータへ電気を送る際、インバータを使うことにより徐々にパワーを上げていき、ソフトに駆動させること可能です。ストップする際にも同様で、ソフトに止めることで、荷物も機械への負担も軽減することができます。
PID制御・ダンサ制御について
自動制御方式の中でもっとも良く使われる制御方式にPID制御という方式があります。このPIDとは、Proportional(比例)Integral(積分)Differential(微分)の3つの組み合わせで制御する事できめ細かな制御・スムーズな制御が可能となります。また、ダンサ制御とは、ダンサロールの位置検出信号を入力して、PID制御を使ってダンサロールによる張力制御を行うことです。これらの制御は主に繊維工業、鉄鋼業、パルプ・紙製造業のライン制御などに使われ、速度制御やトルク制御で材料の張力を一定に保つ様になっています。
始動トルク
始動トルクとは、モータが始動の瞬間に出すトルクの事を言います。このトルクよりも大きい負荷がモータにかかっていると、モータは回り出しません。全電圧始動(直入れ始動)では大きな始動電流が流れます。電動機は、負荷の変化に応じてトルクが出ますが、トルクの大小によって速度が変わるのが一般的です。
たとえば、誘導電動機では無負荷の時はトルク0で、ほぼ同期速度で回転しますが、負荷をかけると電動機はトルクを出すとともに回転速度が少し落ちます。さらに負荷を増すと、ある値までは回転速度が下がるとともにトルクは増します。やがてモータのトルク最大値以上になると止まってしまいます。
定出力特性負荷について(工作機械・圧延機)
定出力特性形をもつ負荷とは、回転速度の可変範囲で常に一定出力を必要とするものです。たとえば、定張力巻取機コンベアや、大きい物は低速で小さい物は高速で処理する工作機械、および圧延機などがあります。
モータは、起動トルクが停動トルクでもあり、かつ大トルクであるため巻取電動機として最も適しています。定張力を必要とする電線、紙、ビニールフィルムなどをワンタッチで容易に巻き取ることが可能です。
定トルク特性負荷について(コンベア・研磨機)
定トルク特性形をもつ負荷とは、回転速度を変化させてもトルクが変化しないもので、速度と出力が比例する種類をいい、巻上機、各種ロール、印刷機などがあげられます。
モータは、その速度・トルク特性が直巻性(直流巻電動機の特性と等しいもの)をもっているため、可変速運転に適しており、あらゆる回転数でも安定した運転が得られます。また、コンベア、台車などの搬送機械の場合、回転速度が変化しても負荷トルクが一定の負荷を駆動する場合は、この特性を選択するのが一般的です。
なお、実際にはモータの内部抵抗による電圧降下を補償するため、低速域の電圧を少し高くしているので、V/fが一定といっても全くの比例ではありません。
低減トルク負荷について(ファン・ポンプ)
回転速度の2乗に対してほぼトルクが一定となる特性(トルクの発生曲線が2乗カーブになっている特性)で、かつ低速域では大きなトルクを必要としない特性を低減トルク負荷と言います。
この特性を利用する例として、ファンやポンプなどの負荷が挙げられます。しかし、ファン、ポンプでもギヤポンプ、ロータリーポンプ又はルーツブロワなどのように定トルク負荷の場合やギヤポンプなどのように低速で負荷トルクが大きい場合、負荷慣性の大きいファンやブロワーなどを短い時間で加速、始動する場合などは、定トルク負荷を利用する場合があります。
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