15.インバータ駆動における注意点について
インバータ駆動時の基底周波数について
基底周波数とは、モータが定格トルクを連続で発生できる最高の周波数を言います。インバータで使用される基底周波数は50Hzか60Hzです。この基底周波数が重要になってくる制御方式の一つに、VVVF制御方式があり可変周波数可変電圧制御と言います。交流モータを可変周波数で運転するとき、モータの端子電圧が周波数と比例するように制御するのが特徴です。交流モータをこのように制御すると、周波数が変化しても内部の磁束密度が一定になり、周波数を変更してもトルク、効率などの特性が同一になる性質があるのです。VVVF制御は電圧と周波数を比例させるので、最高周波数のとき最大出力電圧となります。また、基底周波数以下ではモータの発生する最大トルクが同一となり、定トルク領域と呼ばれています。基底周波数以上の高い周波数で高速回転させる場合、出力電圧を一定にして周波数のみを増加させます。このようにすると、回転数の増加に反比例してモータの発生トルクが低下します。この領域を定出力領域といい、周波数を変更しても出力（トルク×回転数）は一定となるのが特徴です。VVVF制御はモータの回転数フィードバックなどが不要で、オープンループ（開ループ）で制御が可能です。そのため、ファン、ポンプなど回転数を精密に制御する必要がないような用途で、省エネルギーを目的として多く使われています。
インバータ駆動時の始動トルク・始動電流について
�…焼�れ始動と呼ばれる、MC（電磁接触器）の投入等でモータに全電圧をかける方法。始動操作が容易、始動トルクは定格の200〜300％と大きいですが、始動電流が600〜800％と大きいため、電源容量に制限を受けることから、小容量のモータで使用されます。
�▲好拭璽妊襯浸脇阿如▲癲璽燭箸寮楝廓枩�を始めにスター結線で始動して、同期回転速度に近づいた状態でデルタ結線に切り替える方法です。始動電流が直入れ始動の1/3と小さいですが、始動トルクも直入れの1/3と小さく、始動時に軽負荷特性を持つ用途に適しています。
��リアクトル始動で、モータの始動回路にリアクトルを入れ、リアクトルによる電圧降下を加減することで、始動電流・始動トルクを加減する方法です。始動電流は直入れの50〜90％で制御され、始動トルクは直入れの25〜81％と比較的広範囲の始動特性が得られますが、機器が高価です。
�ぅぅ鵐弌璽浸脇阿如▲ぅ鵐弌璽燭砲茲辰董⊃�Hz程度の低い周波数から始動を始め、周波数を予め決められた加速時間で増速していきます。同一容量のインバータを使用した場合、始動トルクは定格の70〜200％であるのに対し、始動電流は150〜200％と比較的小さく、始動時の発生損失が少ないのが特徴です。
単相電源での運転について
単相電源には、単相100Vクラスと200Vクラスがあります。単相100Vと単相200Vの違いは、単相100Vは普通の100Vで、線が2本で送られます。
それに対し、単相200Vは3本の線で送られているのが特徴です。3本の線をそれぞれA、B、Cと分けた場合、AとCに配線した場合は、単相200Vとなります。しかし、AとB、BとCに配線した場合は共に単相100Vです。
通常、単相電源では単相モータしか駆動できませんが、インバータ駆動の場合、単相電源用インバータがあります。これを利用すれば、出力を三相にすることができ、三相モータの駆動が可能です。
単相電源用インバータには単相100V用と単相200V用の2種類ありますが、大きなモータは運転できないので注意してください。単相100Vでは0.75kW、単相200Vでは2.2kW程度までが目安となります。
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