19.ギヤードモーターに関する用語について その1
サービスファクター(SF)とは
減速機部の機械的な強度を示す数値です。使用条件が厳しい仕様では、サービスファクター(安全率)の大きい機種を選びます。
機械が受ける負荷について、強度的に必要十分な状態を1とし、その余裕度を数値で表わしたものがサービスファクターです。
サービスファクター1とは、機械が受ける負荷に対して強度的に必要十分な状態を1とし、その余裕度を数値で表したものです。
サービスファクター2とは、負荷に対する強度が2倍の余裕があるということです。
サービスファクター=(減速機許容入力)/(モータ定格出力)という計算式でサービスファクターの数値を求めます。
減速機部が受ける負荷に対し、サービスファクター1.0であれば、減速機部はまず壊れない、ということができますが、実際には
・起動/停止を頻繁に行う
・負荷の大小が頻繁に変わる
・連続で長く運転させる
など、減速機部にとって過酷な条件の場合があり、サービスファクター1.0でも早く壊れてしまう場合があります。
こういった過酷な条件を考慮し、実際の負荷よりも大きく換算するための係数を、負荷係数と呼びます。
負荷係数は、装置の種類や大きさ、使い方で異なりますので、使用したい製品のカタログで、負荷係数を確認して下さい。
負荷係数が決まったら、カタログでギヤードモータのサービスファクターと数値の大きさを比べて、負荷係数=サービスファクター、または負荷係数<サービスファクターであれば、使用条件に対してギヤードモータの強度が必要十分である、ということになります。
出力軸許容トルクとは
出力軸許容トルクとは、ギア出力軸に連続的に加えられるトルク値の事です。
負荷の所要トルクが、選定したギヤードモータの出力軸許容トルクを超えないよう選定をしなければなりません。
負荷変動がある場合は等価トルクとみなしますが、負荷サイクルが不明の場合は最大トルクを使用します。
出力軸許容トルクは各製品のカタログを参考にします。
出力軸許容トルク値が大きいということは、加速・減速時のトルクが大きく取れるとも言えます。
言い換えると、加速・減速トルクが大きいということは、加速時間・減速時間が短縮できることにもつながります。
負荷慣性モーメントJとは
駆動機構の条件をもとに、負荷慣性モーメントを算出します。慣性モーメントは、機構と搬送物のそれぞれに発生します。
それぞれの慣性モーメントを求めた後、それらの値を合計し、装置の全負荷慣性モーメントを求めます。全負荷慣性モーメントの値は、加速トルクの算出やイナーシャ比の確認時に必要となります。
負荷の慣性モーメントJが大きいものを繰り返し始動(制動)すると、瞬間的に非常に大きなトルクが発生し、ギヤードモータを破損するなど、思わぬ事故となります。
特に1/3、1/5などの低減速比のギヤードモータは、出力軸換算慣性モーメントに対してモータ軸換算値が1/(実減速比)2で算出されるため、モータ軸換算値が小さくならず、早期にギヤードモータを破損するなどの思わぬ事故になりかねませんので、選定時は十分に注意が必要です。
ギヤードモーター選びのポイント20
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