4.ギヤードモーターの種類について
軸配置と軸種類による分類
ギヤードモーターを軸配置により分類をすると、平行軸タイプと直交軸タイプに分かれます。
平行軸タイプは、モータの軸方向と減速機部の軸(出力軸)が平行(同じ向き)になっています。
最も一般的なギヤードモーターのひとつで、現在も多くの装置に使われています。
直交軸タイプは、モータの軸方向と減速機部の軸(出力軸)が直交・直角になっています。
負荷軸に対してモータを直角に配置できますので、省スペース化が図れます。
負荷を直接ギヤードモーターに取り付けることが出来るため、他の取付け部品の部品点数削減が可能です。
これにより、組み付け工数やメンテナンス工数も大幅に削減できるので、装置・製品のコストダウンに貢献できます。
基本構造による分類
基本構造の観点からギヤードモーターを分類するとすれば、減速機部と駆動部(モータ)部分が一体構造になっているタイプと、減速機部(ギアヘッド)と駆動部が別個になっており、其々を選んで組み合わせることにより一つのギヤードモーターになるタイプに分けることが出来ます。
前者は三菱電機・日立産機システム・ニッセイ・シグマー技研などのメーカーのギヤードモーターで、後者はパナソニックのギヤードモーターが代表的です。
一体構造のギヤードモーターは、モータ容量と減速比が大きな機種まで製品化されていますので、設計の自由度は大きくなります。
また、モータの仕様も電源電圧は三相200V・400V、単相100V・200Vとあり、保護構造も標準の屋内仕様から屋外仕様、防水仕様、耐圧防爆仕様など、特殊な使用環境にも使える機種があります。
一方、パナソニックに代表される減速機部(ギアヘッド)と駆動部が別々になったギヤードモーターは、取り付け寸法が同じサイズであれば、同じモータに減速比の違う減速機部(ギアヘッド)を組み合わすことが可能です。
使用環境による分類
標準タイプのギヤードモーターの使用環境は、屋内での使用が条件となっています。
周囲温度は-10℃〜40℃、周囲湿度は85%以下で結露がないこと。
高度は1万M以下で、腐食性ガス・爆発性ガス・蒸気の無い塵埃を含まない換気の良い場所とされています。
場合によっては、上記の条件から外れた環境での使用を余儀なくされるケースも出てきます。
その様なケースの時には、その環境に対応可能なギヤードモーターの選定が必要になってきます。
ギヤードモーターに使用されているモータには、IP表示による分類がされています。
IP表示は、IEC60529およびIEC60034-5という国際規格で、試験方法は下記の2つに大別できます。
『IP67』という表記を例にとって説明しますと、
「6」は第1記号で、これは人体および固形異物接触・侵入保護の等級です。
「7」は第2記号で、これは防水保護の等級を表しています。
このIP表示によるギヤードモーターの分類ですが、、、
屋外仕様でIP44の表記があれば、第1記号の「4」は全閉形となり、直径1mm以上の固形異物が侵入しない構造で、2つ目の「4」は防水保護に関する記号なので、この場合の「4」は、防まつ形となり、いかなる方向からの水滴によっても有害な影響を受けない構造である場合IP44と表記されます。
防水仕様でIP65の表記があれば、第1記号の「6」は耐じん形となり、完全な防塵構造となり、粉塵の侵入が完全に防護されている構造です。2つ目の「5」は防噴流形となり、全方向からの噴水流からの保護されていることを表しています。
ちなみに、「全方向からの噴流水」から保護されているかどうか、どのようにテストするというと、3Mからの距離から全方向に12.5L/分・30kPaの噴水流を3分間噴射して、内部に水が浸入していないかを検査します。
防爆仕様とは、電気機器を可燃性ガスや引火性蒸気などの危険雰囲気中で使用しても、その機器が引火、発火、爆発などの事故の原因とならないような構造のことをいいます。
ギヤードモーター選びのポイント20
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