20.ギヤードモーターに関する用語について その2
出力軸にかかるラジアル荷重とは
オーバーハングロードとも呼ばれており、ギヤードモーターの減速機部の出力軸に対し、直角方向にかかる懸垂荷重のことです。
簡単に説明すると、軸を曲げようとする力の事とも言い換えられます。
ラジアル荷重の最大値を許容ラジアル荷重といい、ギヤードモーターの減速機部の種類、およびシャフト先端からの負荷がかかる距離により異なります。
ギヤードモーターと相手装置との連結においてチェン・ベルト・ギア等を使用すれば、必ずこの力が発生します。
従って、チェン・ベルト・ギア等を使用する場合、このオーバーハングロードの検討が必要となります。
カタログ記載の計算式で求めたオーバーハングロードが、出力軸許容オーバーハングロードより小さくなるような設計が必要です。
伝達効率について
ギヤードモーターのトルクというのは、単純に減速比に比例して増えていくわけではなく、減速機部の伝達効率にも関係してきます。
ここでいう伝達効率とは、減速部の歯車から歯車へ、トルクを伝達するときの効率のことを表します。
動力を伝達するということは、歯のかみ合いや軸受けなどの損失等で、100%伝達することはできません。
また、減速比を大きく取りたいために、歯車の段数を増やすという方法があります。
しかし、段数を増やすことによって、伝達効率は低くなってしまいます。
ギヤードモーターの出力軸のトルクを計算するときには、この伝達効率を忘れてはいけません。
バックラッシとは
バックラッシは、発音する時にはバックラッシュですが、技術用語の場合ですので文字に書くとバックラッシになります。
語源は歯車からで、1対の歯車をかみあわせたときの歯面間のあそび、かみあいピッチ円上の円弧の長さで表したものを円周方向バックラッシ、歯面間の最短距離で表したものを法線方向バックラッシといいます。
バックラッシの大きさに関する問題点は次の通りです。
バックラッシが大きいと、騒音や振動の発生原因になり、機械の寿命を短くさせます。
バックラッシが小さいと、伝達効率の低下と歯車の寿命低下を招きます。
例えば、バックラッシは、歯車の回転中心ではその角度がわずか0.5度であっても、1m先では約9mmもの誤差を生み出すこともあるため、精密な位置決めが要求される半導体製造装置や産業用ロボットでは、その存在が致命的な問題点になってしまいます。
このような問題点の解消を狙って開発された歯車に、ノーバックラッシ歯車という商品もあります。
歯面切削仕上げや研削仕上げをして歯面の加工精度を上げて、ばねの力によってバックラッシを取り除く方法やボルトによる固定でバックラッシをコントロールする方法を用いた歯車があります。
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