7.ギヤードモーターの平行軸と直交軸の違いについて
平行軸タイプと直交軸タイプの主な使い分けは、スペース的な問題による部分が大きいと思われます。
例えばコンベアを例にとる、平行軸タイプのギヤードモータを採用した場合、全長部分が出っ張ってしまいますが、直交軸タイプではギヤードモータの幅の分だけで済みますので、スペースが限られた場所で有効に機能します。
平行軸のメリットについて
平行軸タイプのギヤードモータは、減速機部に平歯車および、はすば歯車(ヘリカルギヤ)を採用している機種があります。
平行軸の歯車には、平歯車、はすば歯車、内歯車などがあります。
平歯車は、歯すじが軸に平行な直線である円筒歯車です。
製作が容易であるため、動力伝達用に最も多く使われている歯車です。
歯車の伝達効率も98.0〜99.5%ととても伝達効率に優れています。
特にはすば歯車(ヘリカルギヤ)は、歯すじがねじれていることで、接触面も平歯車に比べて広くなっており、同じ大きさの平歯車に比べて強度も強く静かな回転が得られます。
また、一対の歯車の歯数の組み合わせに制限はありません。
このようにはすば歯車(ヘリカルギヤ)を利用したギヤードモータは、広く産業機械へ採用されています。
平行軸タイプのギヤードモータは、ヘリカルギヤのように生産のしやすさ(安価)、強度、伝達効率の高さ、多段の組み合わせがしやすく高減速比にしやすいなど、装置設計の上で多くのメリットがあります。
直交軸のメリットについて
直交軸タイプギヤードモータの減速機部に使われる歯車は、まがりばかさ歯車(スパイラルベベルギヤ)やハイポイドギヤ、ウォームギヤなどがあります。
まがりばかさ歯車(スパイラルベベルギヤ)は、すぐばかさ歯車(ストレートベベルギヤ)のはすじがねじれている歯車です。
製作の時間とコストはかかりますが、高負荷に対応ができ、高速回転に向いています。
また、回転の騒音も低く静かで滑らかな回転が得られます。
もう一つの直交軸タイプが、ウォームギヤを使ったギヤードモータです。この歯車は、ねじ状の歯車であるウォームと、かみ合うねじれを持ったウォームホイールのセットからなっています。
特徴は1段の減速で大きな減速比を得られることと、高トルクの動力伝達が可能ということになります。
しかし、平歯車のような高伝達効率はなく、歯数や諸々の条件にもよりますが、伝達効率は減速比率1/10で約65%、1/60で35%が目安となっています。
ハイポイド形ギヤードモータは、出力軸により大きな歯車を配置でき、出力トルクを上げることができます。また、減速比によっては、減速段数を削減することもできます。
ハイポイドギヤはかみ合いが複雑なため、歯車間のバックラッシやかみ合い位置を精密に調整する必要があります。
そのため、一度組み付けたギヤードモータは、モーター部と減速機部が分離できない構造になっています。
このように、直交軸タイプのギヤードモータは、スペースが限られた場所で有効に取り付けがおこなえ、カップリング等の動力伝達部材を削減できる(中空軸タイプのギヤードモータ)など、使いやすさと省スペース、コストダウンに有効と優れた特徴を持っています。
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