8.ギヤードモーターの中空軸と中実軸の違いについて
中実軸タイプと中空軸タイプとは
中実軸タイプのギヤードモーターは、多くのメーカーが長い間生産・販売しており、平行軸タイプはもとより、直交軸タイプなど様々なシリーズから選定することが可能です。
このギヤードモーターの出力軸は、無垢の鋼材から製造されており、用途によりステンレス材でできたギヤードモーターを選ぶこともできます。
ギヤードモーターの中実軸タイプを選定した時は、その駆動力を他の軸へ伝達するために、軸継手(カップリング)やVベルト・Vプーリー、チェンなどの伝達機器が必要になってきます。
このような伝達機器を利用するということは、それらの機器の大きさの分だけスペースが必要となり、装置の小型化・軽量化・コストダウンの要求に応えることが難しくなってきます。
そこで登場したのが中空軸タイプのギヤードモーターです。
この中空軸タイプのギヤードモーターは、文字通り出力軸が中空構造になっています。単純に中空構造の出力軸なので、特徴は軽いだけと思いがちですがそうではないのです。
実際には出力軸を中空にした分の軽量化は大きなものではありません。
実は中空軸タイプのギヤードモーターを採用した時の一番のメリットは、上記中実軸タイプの説明にも記述されていましたが、装置の小型・軽量化・コストダウンに有効だということです。
なぜならば、中実軸タイプのギヤードモーターを使用していた装置に比べて、軸継手(カップリング)やチェン・チェンホイルなどの伝達機器が不要になる為です。
ギヤードモーターの軸に関しての考え方は、下記のように考えることもできます。
伝動軸ですので、駆動側と従動側、動かす方と動かされる方が軸端に存在します。
とすると、軸はねじり方向の力を受けます。
それは軸断面を見た時に軸中心(円形の中心)を零にして、中心から遠ざかるほど、ねじり方向の力が多くなります。
そうした時、軸の中心部分はねじり方向の力をほとんど受けていないということになります。
であれば、中心部分を無くしても(中空軸に変えても)、力に関して影響は少ないのであれば、軽かったり、バランスが取りやすかったり、と利点のある中空軸タイプのギヤードモーターを積極的に使用する要因に十分なると思われます。
中空軸タイプを使用するメリットとは
1. 部品・工数の削減によるコストダウンがまず挙げられます。
ギヤードモーターを直接装置に取り付けらますので、周辺部品点数の削減が可能です。
これにより、組み付け工数・メンテナンス工数も削減でき、コストダウンに貢献できます。
2. 装置の小型化が可能になります。
負荷軸に対してギヤードモーターを直角に配置できるので省スペースになります。
装置の小型化が実現できます。
3. 取り付方向が選べます。
ギヤードモーターの出力軸が取け付面の上下方向の中心にあるため、取け付方向を左右に変えることができます。
装置に合わせた取り付けが選べますので、設計の自由度が大幅に広がります。
中空軸の取り付け方法について
中空軸タイプのギヤードモーターに負荷軸はどのようにして取り付ければよいのでしょうか。
それには二つの方法があります。
ひとつはエンドプレートを使用する方法で、もう一つは穴用止め輪を使用する方法です。
どちらも実際の取付け方法はそんなに大きく違いません。
上記スペーサーはとても大事な部品です。
穴用止め輪の内径が大きいので、スペーサーがないと負荷軸を固定するボルトと平ワッシャが引っ掛からずに抜けてしまうので注意が必要です。
ギヤードモーター選びのポイント20
ギヤードモーターの通販なら規格種類・価格豊富な設備プロ王国へ!
[ニッセイ GTR][三菱電機][日立産機システム][パナソニック][シグマ―技研]等のさまざまなメーカーを取り扱っています。
商品が見つからない・選定のご相談は お見積り からお問い合わせください。