15.ギヤードモーターの減速段数と回転方向の関係について
歯車の段数とは
2段歯車減速機構とは1段歯車減速機構を2組使ったものです。図2.3に外歯車の2段歯車減速機構を示しました。
ここで1段目の歯車1を駆動歯車とすると、この2段歯車機構における速度伝達比i は、下記の式で表すことができます。
ただし n 2 = n 3です。
この2段歯車減速機構においては、歯車1と歯車4の回転方向は同じ方向です。
この2段歯車減速機構において、歯車2と歯車3の歯数を等しくしたのが図2.4の機構です。
この機構において歯車2は速度伝達比i に影響しない、遊び歯車となっています。
この機構は遊び歯車(アイドルギヤ)を使った1段歯車減速機構と考えられており、その速度伝達比i は、下記の式で表すことができます。
減速比による回転方向の違いについて
ギヤードモーターは歯車減速機構を利用して減速しています。
歯車の歯数の比率が減速比で、この減速比を大きくするためには、歯数の比率を大きくする必要があります。
つまり、駆動側の歯車は歯数を少なくし、非駆動側の歯車は歯数を多くするということです。
しかし、歯数を少なくするには限界があり、歯数を多くすると取付け寸法などの制限をうけることになります。
そこで、歯車の減速段数を増やすことにより、減速比の大きな減速機部の設定を可能にしています。
このように、減速比によって段数が異なり、奇数段ではモーター軸と逆の方向に回転し、偶数段ではモーター軸と同じ方向に回転するようになっています。
回転方向を変更する方法について
例えば、三菱電機のGM-Sシリーズを例に説明します。
0.1kWですと…
減速比 1/3 〜 1/30は2段減速で出力軸から見て回転方向は反時計方向です。
減速比 1/40 〜 1/200は3段減速で出力軸から見て回転方向は時計方向です。
減速比1/270 〜 1/1200は4段減速で出力軸から見て回転方向は反時計方向となります。
このように、メーカー・シリーズ等にもよりますが、減速比率により回転方向が違いますので、設計の構想上逆回転が必要な場合は結線にて対応します。
三相電源のギヤードモーターを例にとって説明します。
通常は電源線のR・S・Tとギヤードモーターのモーター側のU・V・Wをそれぞれ対に結線します。この状態で回転方向を変更するには、3本の電源線(R・S・T)のどの線でもいいので2本を入れ替えて、接続しなおすだけで逆方向に回転します。
R−U、S−V、T−Wとなっている結線を、入れかえて逆回転にするにはR−V、S−U、T−Wとすれば大丈夫です。
例えば、単相電源で6本線のコンデンサ運転タイプのギヤードモーター場合、電源線のRと単相モーター側のリード線のX・U1・U2を纏めて一つにハンダ付けなどで1本にして結線しものを一つに結線します。
もう一方の電源線のSは、残りのY・V1・V2と同じように結線します。
この状態の単相電源のギヤードモーターの回転を逆回転にするには、XとYを入れ替えれば逆回転になります。
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