ギヤードモータの基本構造と選定
○ギヤードモータの構造
ギヤードモータは、モータ軸の機械的な出力を、モータ軸と平行な軸で取り出す「平行軸」タイプと、直交軸で取り出す「直交軸」タイプとがあります。
ギヤードモータでは、モータの軸自体が歯車加工され、高効率・低騒音・低振動の動力伝達となるよう、工夫されています。
また、滑らかな駆動を保つために潤滑油が使用されており、このグリース及びオイルが長期間良好に保持されるように、オイルシールの形状や素材が工夫されています。
防水タイプでは、衛生面に配慮して、異物が溜まらない滑らかなフレーム表面を採用する製品もあります。
○ギヤードモータとブレーキ
ギヤードモータでは、物理的な電動ブレーキを備えるタイプもあり、昇降用途などで使用されています。
○ギヤードモータの選定
ギヤードモータを選定するには、通常の誘導モータの選定と同様、負荷トルクを算出します。モータを特定すると、電源周波数と極数からモータの回転数が計算できるため、回転数に合う減速比を選びます。
負荷側の回転数を実現できるモータが複数ある場合、サービスファクタなどの計算後の負荷トルクを実現できるモータのうち、定格出力の小さいモータを選定すると、運転時の効率が高くなります。
ブレーキは、必要なブレーキトルクから算出する手法や、制動時間と制動距離から計算する手法などがあります。