負荷トルク
○負荷トルクとは
負荷トルクとは、モータが駆動する機械(被動機)によってなされる仕事です。負荷トルクは、所要動力ともいいます。
○負荷トルクの計算
負荷トルク(所要動力)は、被動機が動かすワークの質量、速度、摩擦係数に比例して大きくなり、機械の効率に反比例して大きくなります。
ベルトコンベア、接触面の平行移動、巻き上げ、上り斜面など、一般的な用途の負荷トルクの算定式は、メーカのカタログや技術資料にも整理されています。
○負荷トルクの変動とサービスファクタ
負荷トルクの算定式で求まるトルクは、負荷トルクが変動しない想定での値です。衝撃が発生する場合や、長時間の連続運転とする場合には、定格出力より大きいモータを選定する必要がありますので、負荷トルクの値を補正します。
この負荷トルクの補正係数を、サービス・ファクタといいます。
○モータと定格出力の選定
負荷トルクの変動が、運転の回転と停止の操作により生じる場合、短時間定格(S2)や反復定格(S3)のモータも選択肢になります。
負荷トルクの変動が、緩やかな変動である場合、負荷トルクに対応するサービスファクタをかけて、余裕をもたらすことで対応します。
負荷トルクの変動が、中程度以上の衝撃をともなう場合、サービスファクタによる補正の他、衝撃による負荷トルクの最大値が、モータの最大トルクを超えないように、モータを選定します。