三相交流電源に直接接続するじか入れ始動
○かご形誘導モータのじか入れ方式の仕組み
じか入れ(直入れ)始動方式は、全電圧始動方式であり、定格電圧の電源をモータの端子に直接に与えて始動し、そのまま駆動する方式です。始動電流に対して十分な電源容量をもつ小型の電動機で広く用いられています。
○全電圧始動方式のメリット
三相誘導モータでは、誘導モータとは別の始動機を必要とせず、最も簡単な始動方法で、低価格で実現できます。
このじか入れ方式のメリットは、始動時と定常運動時で電圧の切り替えがないため、動き始めから目的とする速度となるまで途切れや振動のないスムーズな動作となることです。
○全電圧始動方式のデメリットと対策
始動電流の悪影響が、全電圧始動方式のデメリットです。大きい始動電流にともなう電圧降下により、他の機器の安定動作を妨げる可能性があります。
また、負荷の慣性が大きい場合や、逆に負荷が小さく加速度が大きいと、始動電流による急速な発熱があると、モータの要素の寿命を縮めます。
これらデメリットを避けるには、十分な電源容量で採用するとともに、電力系統の保護装置を使用します。また、オンオフの多いシステムでは、他の始動方式を採用することが考えられます。
○巻き線型誘モータの始動方式
巻き線型誘導導モータでは、始動用の抵抗器を使用することで、始動効率を高めながら始動電流を押さえることができます。