○有効エネルギーと出力エネルギーの比
モータの入力となる電力は、電圧と電流をかけた値です。交流電力の場合には、電力会社から供給される電力(皮相電力)の一部が無効電力として電源に戻され、有効電力がモータに与えられます。皮相電力に対する有効電力の割合を力率といいます。モータ自身のエネルギー損失の少なさを効率といいます。モータの運転にともない、有効エネルギーの一部は、機械の発熱、摩耗、振動などの損失になります。効率とは、モータの動力となった出力エネルギーに対する有効エネルギーの割合で、モータの動作による損失が小さいほど、効率が高くなります。モータ出力と、定格電流及び定格電圧との関係から、力率と効率の積の値を求めることができます。
○モータの使用現場における効率の意味
効率の高いモータほど、省エネであり、電気料を安くすることができます。標準的なモータに自前の減速機を付加するのと、最初からギヤードモータを選定することの比較でも、減速後の動力に対する効率の比較が有効です。
○効率をめぐる国内外の動向
電力消費量における誘導電動機の消費量が高いことから、主要国はエネルギー政策として誘導電動機の効率向上に取り組み、規格化しています。日本では、1999年に省エネ法が改正され、高効率モータの採用が推奨されています。米国、中国、欧州でも効率基準値が定められています。