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 2. モーターの種類は様々にあります

動力源となる電気の種類による分類を説明しますモータの動作原理による分類を説明しますモータの設置と速度制御を説明します

動力源となる電気の種類による分類

○直流と交流
モータの動力源となる電気には、直流(DC)と交流(AC)があります。直流電流は電池(バッテリ)から、交流電流は発電所の送電から得ることができます。また、交流を整流すると直流に、直流をパルス幅変調等すると交流に変換することができます。
例えば、新幹線は架線の交流電力を取り入れて直流に変換した後、インバータで走行速度に応じた周波数の交流に変換して、モータを駆動しています。

○直流モータの特性
直流電力を動力源とするDCモータの多くは、低回転でトルクが大きく、高回転でトルクが小さいため、始動から高速回転までギア不要で必要なトルクとなります。一方、DCモータは、ロータの回転角に応じて電流の向きを変化させる整流子(ブラシ)が必要で、ブラシは騒音や早期劣化の原因となっています。

○交流モータの特性
交流電力は、発電所から工場や商業施設に三相交流で送電され、家庭や小規模施設には単相で送電されています。ACモータは、三相用単相用があります。ACモータでは、直流と異なり、入力される電流(皮相電流)の一部が無効電流として発電機に戻されてしまいます(力率)。
ACモータは、整流子が不要である一方、回転数の制御が困難でしたが、交流電力の周波数を可変とするインバータ装置の使用により、回転速度を精密に制御できるようになりました。
交流モータの多くは、回転が速く、低回転時などにトルクが小さいため、機械的な減速機によりトルクを大きくすることが行われています。

動力源となる電気の種類による分類説明写真

モータの動作原理による分類

○整流子をもつDCモータ
ロータとステータの一方を永久磁石、他方をコイルによる電磁石として、直流電流を流すと、電磁石と永久磁石が吸引する向きにロータが回転します。吸引力が最大の位置で、整流子(ブラシ)が電流の向きを変化させ、電磁石の磁極が反転します。これにより、ロータは回転を続けます。

○うず電流を使う誘導モータ
ACモータの代表例は、三相交流で動作する誘導モータ(インダクション・モータ)です。
金属板などの導体上で磁界が移動すると、アラゴの円板の原理により、磁界直下の渦電流の向きがそろい、導体はフレミング左手の法則により磁界の移動方向と同一方向の磁力を受けます。
誘導モータのステータの回転磁界の速さを同期速度といい、交流周波数に比例します。無負荷時には、ロータの回転速度は同期速度に近いです。同期速度に対する、同期速度と回転速度の差の割合を「すべり」といいます。

○かご形と巻き線型
誘導モータのステータは、120度で配置されたコイルで、三相交流を流すことで、整流子など使わずに回転磁界を発生させます。ロータは、渦電流が流れる導体(かご形)やコイル(巻き線型)で、鉄心及びシャフトと一体に構成します。

○単相型や、同期モータ
単相交流の誘導モータは、モータ内のコイルにより二相にするなどしてロータを回転させています。
同期モータは、ロータに永久磁石を採用するなどして、渦電流による磁力ではなく、磁石自体の磁力により、ステータの回転磁力に追従して回転するモータです。

モータの動作原理による分類説明写真

モータの設置と速度制御

○誘導モータの設置
工場や商業施設などで最も使用されているのは、三相又は単相の誘導モータです。この誘導モータは、軸方向や設置環境に応じて、多品種の製品が発売されています。

○軸方向
モータシャフトと出力軸が同一方向のモータは「平行軸型」、直交方向のモータは「直交軸型」です。直交軸型は、ベルトコンベアなどで省スペースを実現できます。

○設置環境
誘導モータは、設置環境に応じて屋内型、屋外型、防爆型などが用意されています。
屋内型は、標準タイプで、爆発性のガスがなく、粉じんや結露の少ない場所向けです。屋外型は、防水型や、アルカリや薬品に耐性のある防腐型があります。安全増防爆型には、新JIS規格で定める第1類危険箇所でも使用できるタイプがあります。

○誘導モータの速度制御
誘導モータの速度制御では、段階的な速度を選択できる簡易型と、連続的な速度を選択するモデルがあります。さらに、目標速度へフィードバックするタイプや、負荷トルクの変化に応じた制御が可能なタイプなどがあります。
三相誘導モータや、多くの単相誘導モータは、インバータのパルス幅変調などにより、目的とする周波数の交流を動作電力とすることで、回転速度を制御します。これは、標準の誘導モータインバータ装置を付加して可変速を実現するタイプと、可変速用に別に用意されている誘導モータを使用するタイプとがあります。
単相モータで、可変抵抗等により電圧を変化させることで、段階的な速度を実現する製品もあります。
また、ブラシレスモータを交流で駆動して、省スペースで可変速モータを実現することもできます。

モータの設置と速度制御説明写真

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