○1821年 ファラデーの実験
モータ(電動機)は、電気エネルギーを運動エネルギーに変換する装置です。その最初は、1821年イギリスのマイケル・ファラデーの実験です。彼は、つるした導線の一部を容器中の水銀に浸し、容器の中心に永久磁石をおきました。この導線に電流を流すと、導線は、永久磁石のまわりを回転したのです。
○1824年 アラゴの円板
金属製の円板上で磁石を回転させると、電磁誘導により円板に渦電流が発生します。この渦電流が磁力を生み、磁石の回転にともなって円板が回転しました。磁石の速度と円板の回転速度との比(滑り)が小さくなると、渦電流が小さくなり、トルクも小さくなります。
○1830年代 直流電動機の実用化
アメリカのトーマス・ダヴェンポートは、ボルタの亜鉛電池を使用して、直流電動機で電気機関車や印刷機を動かしました。この電動機は、永久磁石の固定子と、電磁石の回転子と、電磁石に流す電流の向きを切り替える整流子とを備えていました。
○1880年代 交流電動機の実用化
アメリカのニコラ・テスラは、直流電源を推進するエジソンと対立し、経済的な送電が可能な交流送電を主張していましたが、モータがありませんでした。テスラは、アラゴの円板の原理から二相交流の誘導電動機を発明し、交流の優位を決定づけました。
1890年代、ナイアガラの水力発電所から60Hzの交流による電気が送電され、電力の時代が始まり、ポンプ、工作機械、鉄道などの動力は、蒸気機関から電力に変化していきました。